5日目 人口減少から生じる地域課題とビジネスチャンス


5日目は、人口減少から生じる地域課題とビジネスチャンス。
熊本大学 金岡教授より、人口が減少するメカニズムのおさらい、小さな拠点・新たな国土形成計画など国の動きの変化、都会の企業や学生が地域課題に興味を持っていることなど、地方に住んでいては知ることができない全国的な動向に関する講義がありました。
地方の人口が減っていることは分かっていましたが、闇雲に対策を打つのではなく、そのメカニズムを知ることで、より適切な対応策を考えることができるようになります。
次に鍋屋客員教授より、地域課題「買い物をするところがなくなる」をテーマに、移動スーパーや地元の鮮魚店が空きテナントに居酒屋を開店したことを契機に地域住民と交流人口が集まる小さな拠点が誕生した実例が紹介されました。
地域課題を単にピンチにせず、チャンスと捉え視点を変える・広げることで新たなビジネスが生まれた身近な好例を知ることができました。

次は、和歌山県田辺市で、実際に地域課題をビジネスで解決されている「株式会社 日向屋」の代表取締役「岡本 和宜」さんの事例発表。岡本さんはたなべ未来創造塾の修了生です。
岡本さんは柑橘農家で、少子高齢化や農業の衰退による担い手不足、それに拍車をかけるイノシシやシカによる鳥獣被害、結果として耕作放棄地が増える負のスパイラルが地域課題であり企業課題でもあり、子どもたちが「農業をしたい」と思える環境になっておらず、このままでは農業を継続することは困難になると考えていました。
また、地域からは鳥獣ハンターもいなくなっていたこともあり、「自分たちの農地は自分たちで守る」と若手農家で集まって狩猟チームを結成されました。
順調に鳥獣被害を減らしていく活動を続けていくうちに、「有害・獣害」の名のもとただ動物を殺す農業で良いのか、と疑念を抱くように。そこで、大切な命なのだからジビエにしよう、「厄介者を地域資源」にしようとジビエ解体施設を誘致。解体施設の課題であった安定捕獲や販路開拓は、自分たちだけでなく地域を巻き込み、80人以上の協力者(賛同者)を得て、民設民営ながら全国でも珍しい黒字での運営を実現されています。
地元出身のシェフとも連携し、ジビエを扱うフレンチレストランを開店し、地域全体を良くしたいという共通の想いで「狩る→解体→食す」の循環モデルを構築。
一つの課題を解決したら、次の課題にぶつかり、それを解決したらまた次の課題へ-
地域課題を解決するたびに、地域も企業も良くなっていく。岡本さんは正にそのCSVの理想を体現されている方で、岡本さんのモデルは同じく鳥獣被害に困っている天草市でも同様に展開できる非常にありがたい先進事例であると思います。




未来創造スクールは、勉強になる講義だけではありません。
他地域で頑張る異業種の方々との出会いも醍醐味です。相互に刺激を受け、絆が生まれ、革新が生まれる契機となるかもしれません。対面での合同講義は、普段生活しているだけでは出会うことのない新たな仲間づくりでもありました。