10日目 地元修了生・市外企業事例研究(ケーススタディ)

10日目は、山鹿市で規格外農産物を使用した多品種小ロットの産地アイスメーカーとして創業された「株式会社パストラルの代表取締役 市原幸夫さん」と本スクール1期生で天草大王を生産されている「日の出農場 舩田幸平さん」を招いての事例研究。
前半は、市原さんの「なつかしい未来 里山稼業」
市原さんは、規格外の地元農産物を有効活用したいとの想いからアイスメーカーを起業され、今では全国で200社以上のOEM(相手先ブランド)受託を引き受けており、OEMのビジネスモデルとなっています。
現在は子ども3人全員が帰郷し、それぞれが1次産業、2次産業、3次産業と役割分担し家族一丸となって会社を経営されています。
アイスメーカーとして成功された後もそれで良しとせず、地域(地元)社会の幸福を追求するため、耕作放棄地を取得し農業に参入。合鴨水稲、栗、ワイン用葡萄、渋柿を生産。
パティシエの3男の帰郷に合わせ、アイスとケーキの販売店「ricca」をオープンし、生産・加工・販売の一気通貫を実現されています。
riccaには年間3万人の来客があり、地域の観光スポットにもなり、自社のみならず地域全体への経済波及効果を生み出しています。
「規模拡大でなく価値拡大(=6次産業化、相場からの離脱)」
一次産業は相場を自身では決められない構造、だが加工・販売まで行うと価値は上がる、既存の地域資源に付加価値を与え「市場からの脱却」へ!
市原さんの力強い言葉が心に残ります。
他にも、高齢化等で存続が困難になってきた地元農産加工組織の事業を継承し、次世代への事業再生に取り組んでいます。この次世代による事業継承・再生は、全国の農産加工組織が抱える課題解決の先駆けとなっています。
市原さんは、自社の利益のみを追求するのではなく、地域全体の利益を考え、地域課題をビジネスで解決する正にCSVの先駆者と言える方。その熱い想いは本スクールの受講生を奮い立たせてくれました。

後半は、舩田さんの「稼げる農業の実現」
舩田さんは天草大王を生産する実家を継ぐために帰郷するも実態は赤字経営。
なぜ赤字なのか原因を考えたところ「価格を市場が決めているから」という事実に気が付かれたそうです。どんなに生産量を上げても自身の決定権の無い市場価格では収入の安定化は難しいものになります。
また、農業(一次産業)の収入が不安定である構図は、後継者不足を引き起こし、地域農業の維持が困難になり、耕作放棄地の増加や鳥獣被害の拡大など、様々な問題に直結しています。
そこで舩田さんは「稼げる農業」を体現し、後継者が引き継ぎたいと思える農業を実現したいとの想いを強くされ、生産するだけでなく付加価値を高めるための取組みを始められました。
①新商品開発(=高付加価値)、②知名度向上(=価値が高くても知られなければ売れない)、③飲食店の開業(=出荷先や卸価格のコントロール)を実践し黒字化を達成!
若者も雇用し、稼げる農業を体現されました。
次は、既存のスタッフの給与をアップさせ、新たに若い方を雇用し、ゆとりある生産体制を作り、休日を増やすことで職場の魅力を高め、子どもたちがやりたいと思える農業の実現を目指されています。
「夢、目標は口に出すこと」「夢の実現に向けた具体的方法を計画すること」「計画したことを行動に移すこと」「成果がでるまで継続すること」
舩田君の締めの言葉は、今後、受講生がプランを実現するための指針になることでしょう。