4日目 人口減少
4日目は、人口減少のメカニズム。
熊本大学 金岡教授のアーカイブ動画と本市から派遣されている池田政策研究員による講義では、なぜ人口が減少するのか、年齢階層別の社会増減(転入・転出)から、その原因やメカニズムを学び、その後、本市職員である原田より、金岡教授の講話を本市に当てはめた場合の状況を補足しました。
本市においては、「主に大学進学や高卒の就職で市外に2,500人転出しているのに、大学卒業後に戻ってくるのは400人程度(16%)であること」「一旦戻ってきても特に女性においてもう一度転出していること」「特に女性における雇用の多様性に乏しいこと」「域内総生産が低い≒給料水準が低いこと」「未婚率が高いこと」などが人口減少の原因ではないかと考えられています。
一方で、人口が集中する都市部においては出生率が低いことが人口減少の原因とされており、都市部・地方の双方において人口が減少しているため、日本全体としても人口が減少していると考えられます。
最初の対話では、「一旦戻ってきた人達が20代後半から30代にかけて何故また出て行くのか、その理由を突き止めること・移住者が何故天草市に来てくれたのか、1つ1つの理由を紐解くことが社会減の改善につながる」「私立高校が魅力的で市外の高校に進学すると思うので、市内の高校を魅力化することが若年層の流出抑制につながる」「公務員と看護師以外の雇用の多様性が重要」「社会増減ばかりでなく自然増減はどうなっているのか気になる」などの意見がありました。
次に、熊本大学の鍋屋客員教授による田辺市の事例「高垣工務店」の紹介がありました。
高垣工務店は、社長が倒れ倒産しかけた会社を、当時、契約社員だった方が、技術や価格ではなく『同情』を武器に売り込み、3年連続顧客満足度No.1やお客様紹介率88%を達成し、業績をV字回復させました。
更に、顧客からの要望で「健康事業デイサービス」「発達障害スクール」を展開し、無料で利用できる集会所を開設したことがコミュニティ形成につながり本業の売上増加に貢献していること、顧客維持のため年1回お祭りを開催していることなどを教えていただきました。
他にも、最近の学生は地域課題解決がカッコイイ、地方創生に関わりたいと思っているという話がありました。
2回目の対話では、「どうやってカコイイ姿(仕事)を見せればよいか」「子世代の企業認知度を上げる活動が重要では」「餌やり体験など普段の仕事が、都市部の人には良い観光体験になる」「大人版のキッザニアを開催し親世代にもカッコイイ姿を見せる」「仕事は既に面白い!いかにそれを伝えることができるかが重要」「地方は企業の顔が見えやすく信頼につながる」「課題を面白がること」「点在する魅力や課題をつなぎ面にすれば新たな需要が生まれるのでは」「地元のためになるという『働き甲斐』と時代に合った『働きやすい』環境づくりが若者の地元雇用促進につながる」「大企業は業務の一部しか担えず、本当に役に立っているのか分からずやりがいにつながりにくい」「地方は一人で全部しないといけないので、大変だがやりがいと役に立っている実感を感じられる」などの意見がありました。
講義の内容はもちろんですが、受講生の皆様の意見を聞いていると、地域課題をビジネスで解決するキラリと光る「アイデアの卵」がたくさんあると思いました。
このアイデアの卵を孵化させることができるよう、受講生の皆様と事務局が一丸となって頑張っていきましょう!